館蔵史料提供による授業支援
「明治維新から世界のなかの日本へ」
〜亀山市立井田川小学校6年生社会科〜
平成26年10月2日(木)2時間目、亀山市立井田川小学校で行われた6年生の社会科授業「明治維新から世界のなかの日本へ」に歴史博物館から資料を提供しました。先生が授業をされた後、黒船が来航したころの亀山藩の様子について実物資料を見せながら学芸員が説明をしました。3時間目には、6年生の他の3クラスにも同じ説明を15分ずつ行いました。どのクラスの子どもたちも、実物資料を近くで見、熱心に話を聞いてくれました。
オープンスペースに資料を設営しました | 授業前から教室に置かれた ユニットのパズル |
子どもたちは、1週間前から教室に置かれた「亀山市域にみる江戸時代の領地パズル」に取り組むことで、亀山藩の領地(亀山市域)について知っていました。 本時は、もう少し広い範囲を描いた「絵図伊勢国鈴鹿河曲三重奄藝四郡之図」を示し、亀山藩が飛び地として海の近くの北若松村・中若松村・南若松村・岸岡村を持っていたことをおさえた上で、学習が進みました。 |
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嘉永6年(1853)、ペリーがやってきました。「米利幹舶真図」にはペリーや副将軍のアダムスの似顔絵が描かれています。 「鼻が高いなあ。」 「初めて外国人を見た日本人が描いたものなので、鼻が高いという印象からそこが強調されて描かれているのでしょうね。」 嘉永7年、2度目の来航の時に持ってきた剣や横浜で話し合いをした場面の図も描かれています。 |
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「米利幹舶真図」の巻物には、ペリーが徳川幕府や大名に献上した蒸気機関車の動く模型や線路なども描かれています。 「色もぬってあるね」 「すごく細かく描いてある」 と、子どもたちは驚いていました。 「リアルな絵ということで舶真図というんだよ。」 |
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「アメリカ蒸気船絵図」です。 ペリーが乗ってきた黒船は蒸気船でした。 「お風呂みたいな湯気で動いている」と、動く仕組みが書いてあります。 大砲もついていますね。 亀山藩としては、いろいろな情報を集めていたことがわかります。 |
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「絵図伊勢国鈴鹿河曲三重奄藝四郡之図」で亀山藩の四つの飛び地を確認した後、その地域が描かれた大きな絵図「嘉永六年歳癸丑(みずのとうし)秋八月於南若松村以凡四分十間の積図」を見ました。 お台場(大砲を設置する場所)をここに設けようかどうしようか考えたことが書かれています。 亀山藩でも、黒船来航にどう対応しようか考えていたことがわかります。 |
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ペリーが来た年、嘉永7年6月15日に大きな地震がありました。 13日から前触れがあったこと、一日に何十回も揺れたこと、加藤家では台所や使用人の部屋や御用部屋が壊れたことが記録されています。そして、6月26日にはおさまってきたことが書かれています。 ペリー来航の頃、亀山藩は大地震が起きたり、藩主の交代があったり大変な時期でもありました。 |
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「ここに、ペルリって書いてあるよ。」 | じっくり見て気づいたことを話し合う児童 |
参観の先生も学芸員の説明を 受けています |
熱心に絵図を見る先生方 |
· 米利幹舶真図
· アメリカ蒸気船絵図 · 異国船につき諸大名 · 町火消固め場所覚
· 嘉永六年歳癸丑秋八月於南若松村以凡四分十間の積図
· 大地震につき損壊等報告の書状
· 大地震につき当方御尊家被害につき書状
· 絵図伊勢国鈴鹿河曲三重奄藝四郡之図(複製)
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· A―16 「亀山の地名の変遷」 · · · 亀山市域にみる江戸時代の領地パズル